わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。 新約聖書 マタイ 16:19
これは、イエスキリストが弟子のペテロに言ったことばです。これから私は、”教会の歴史とは、「天の国の鍵」をめぐる歴史である”という独断的(?)持論に基づいて教会(特にプロテスタント)の歴史を追いかけていきたいと思います。
キリスト教は教会を中心にして歴史を刻んできました。イエスご自身も教会を通して神の福音を宣教することを定められました。信徒にとっては何よりも神を礼拝する集まりとして、そして信徒同士の交わりの場として、イエスが命じられたように互いに愛し合う群として教会は存在してきました。
しかしながら、教会はまた誤りやすい人間の手に委ねられてきました。そこには悲惨な歴史もありました。現代では「キリストのひとつの体」であるはずの教会が様々に分裂しています。 今、ここで学ぼうとしているのは、「教会とは何なのか」とか「教会はどうあるべきか」などということではありません。そのようなテーマを論じる資格は私にはありません。
ここで学びたい第一のことは、「教会の歴史を導く神の手」なのです。たとえ教会が堕落しても、そこからまた神の呼びかけに答え、神に忠実であろうとする人々が立ち上がり、その教会の内側から改革が行われるか、もしくは新しい教会を作っていきました。
第二には、そのような歴史から得られる広い視野を持って自分の信仰と教会を見つめる目を持ちたいということです。 さらにキリスト教に詳しくない方にも、できるだけわかりやすく物語り風に書いてみました。
私自身は専門家ではありませんので、歴史的事実やその解釈など、専門家の方々のご指摘を受けるような点があるかもしれませんがお許し下さい。
(注:「天の国」とは、一般に言われる「天国」のように死後の世界ではない。キリスト教で言う魂の救済を受けた状態のことで、信者となった者は「天の国」または「神の国」の国民とされる。)
クリスチャンの方へ第5章 幼児洗礼は「天の国へのパスポート」では無い!−再洗礼派―
第9章 理屈よりも実践、体験だ! −敬虔主義とリバイバル運動ー
「図解!プロテスタント教会史」も合わせてご覧になると、いっそう理解が深まります。
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