右近詩集「なでしこの花」

金沢で高山右近と親戚関係にあった越前屋・片岡家(片岡休庵の妻が高山南坊の姪)の文書の中に残されていた、右近の詠んだ二首の和歌


右近研究を続けながら、高山右近や多くのキリシタン達から教えられてきたことをもとに、400篇をこえる詩が与えられてきましたので、順次掲載させていただきたいと思います。
よろしければ引き続きご覧になって下さい。
(これらの詩にはすべて、金沢の高山右近研究家・山縣実牧師によって曲が付けられています。)

久保田典彦(高槻市・阿武山福音自由教会会員)

No14(2009年1月3日更新)

この人を見よ

神を愛して 喜びあふれ
高槻の地に つかわされ
世の光となって 輝いた
この人を見よ 右近を見よ
右近を愛した キリストを見よ

人を愛して 恵みにあふれ
金沢の地に つかわされ
地の塩となって あかしした
この人を見よ 右近を見よ
右近を愛した キリストを見よ

神を愛して 人を愛して
罪深き世に つかわされ
永遠の命を たまわった
この人を見よ 右近を見よ
右近を愛した キリストを見よ

 

じぶ煮

高山右近が 伝えたという
口にやさしい 鴨料理
じぶじぶじぶじぶ煮て じぶ煮
金沢の味 右近の味

肉をそぎ切り 麦粉をまぶし
肉のおいしさ 包み込み
じぶじぶじぶじぶ煮て じぶ煮
愛される味 右近の味

パアデレたちに 教えてもらい
野菜 山菜 あしらって
じぶじぶじぶじぶ煮て じぶ煮
わさびをそえて 右近の味

 

どれも大事な器官です

私は足です 手ではない
一番大事な 器官です
足があるから どこにでも
出かけて行けたり するのです
あれあれ すべてが 足ならば
一体どこで 見るのでしょう

私は目です 耳でない
一番大事な 器官です
目があればこそ 神さまが
造られたものを 見られます
あれあれ すべてが 目であれば
一体どこで 聞くのでしょう

目が手に向かい あなたなど
必要でないと 叫んだり
頭が足に あなたなど
必要でないと 言えません
器官は多く ありますが
どれも大事な 器官です

からだの部分は 多くても
全部が一つの からだです
ともに喜び 苦しんで
キリストのからだ 教会を
みんなで建てて いくのです

 

アダムの系図

御神に似せて 創造された
アダムは生きて 彼に良く似た
子どもを生んで こうして死んだ
九百三十年の生涯

罪を犯した カインの末の
レメクは二人の 妻をめとった
傷を受ければ 人をも殺す
神を離れた人の生涯

アベルに代わり セツが生まれて
エノシュの時に 祈り始め
エノクは神と ともに歩んだ
主に喜ばれ歩む生涯

天地も人も 造られた主に
敵対するか ともに歩むか
アダムのかたち どおりの子らが
生まれ 歴史が作られていく


バックナンバー

No.1 右近のワルツ/讃美のいけにえ/初めに
No.2 こんてむつす むん地/土の器/大空よ
No.3 椿の花のように/愛/いのち
No.4 こんなにも/こどものように/光るもの
No.5 右近のクリスマス/飼い葉おけ/魚や鳥の創造
No.6 あらたまの/マリヤのように/六日目
No.7 四季の歌/さくら/第七日
No.8 右近賛歌/空の鳥を見よ/エバ
No.9 ジュスタの子守唄/復活/男と女
No.10 山崎の合戦/悲しみのマリア/誘惑
No.11 十字架の丘/茶室にて/堕落
No.12 味土野/冬のソナタ/呪 い
No.13 二月三日/涙/命の尊さ


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