右近詩集「なでしこの花」

金沢で高山右近と親戚関係にあった越前屋・片岡家(片岡休庵の妻が高山南坊の姪)の文書の中に残されていた、右近の詠んだ二首の和歌


右近研究を続けながら、高山右近や多くのキリシタン達から教えられてきたことをもとに、400篇をこえる詩が与えられてきましたので、順次掲載させていただきたいと思います。
よろしければ引き続きご覧になって下さい。
(これらの詩にはすべて、金沢の高山右近研究家・山縣実牧師によって曲が付けられています。)

久保田典彦(高槻市・阿武山福音自由教会会員)

No13(2005年4月1日更新)

この人を見よ

神を愛して 喜びあふれ
高槻の地に つかわされ
世の光となって 輝いた
この人を見よ 右近を見よ
右近を愛した キリストを見よ

人を愛して 恵みにあふれ
金沢の地に つかわされ
地の塩となって あかしした
この人を見よ 右近を見よ
右近を愛した キリストを見よ

神を愛して 人を愛して
罪深き世に つかわされ
永遠の命を たまわった
この人を見よ 右近を見よ
右近を愛した キリストを見よ

 

二月三日

主よ この日をば 待っておりました
マニラの町の 主にある民の
愛と祈りを いっぱい受けて
主よ わが霊を 御手にゆだねます

主よ この時を 待っておりました
共に歩んだ 妻 娘 孫
御手の守りを お与えください
わが主の御顔 仰ぎに行きます

主よ 御めぐみを 感謝いたします
高槻 明石 金沢の民
天の御国で また逢う日まで
主よ わが霊を お受けください

大きな叫び 涙をもって
祈りをささげる 主イエス・キリスト
その敬虔な 姿のゆえに
父なる神は 聞き入れられた
主イエスの涙 涙 涙

試練の中で 涙をもって
神と人とに 仕えるパウロ
大きな苦しみ 心の嘆き
涙ながらの 訓戒 手紙
パウロの涙 涙 涙

喜ぶ者と 共に喜び
泣く人たちと 共に泣きなさい
涙は神の くださったもの
主イエスの涙 パウロの涙
あふれる愛の 涙 涙

生命の尊さ

エバはみごもり 子どもが生まれ
カインは土を 耕す者に
弟アベルは 羊飼う者
主にささげ物 携えていく

アベルは羊の 初子(ういご)の中の
最良のもの 自分でささげ
霊とまことの 主への礼拝
その信仰が 義とみなされた

野にいた時に 襲いかかって
カインはアベルの 生命を奪い
世界最初の 殺人の罪
聞け 弟の 血が叫んでいる

にないきれない 大きな咎(とが)も
罪を認めて 悔いるカインに
主からの救い 一つのしるし
エデンの東 さすらい人に


 


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