2000年や2001年の年の変わり目には、「ミレニアム」という言葉を耳にしたと思います。これを辞書で引くと、
mil・len・ni・um
1 千年間,千年期.
2 千年祭.
3 [the −] 【キリスト教】 至福千年,千年王国 《キリストが再臨してこの世を統治するという神聖な千年間》.
4 (特に,正義と幸福の行き渡る想像上の)黄金[理想]時代. ラテン語「千年」の意
となっています。ここで3番目の意味に注目してください。これは新約聖書「ヨハネの黙示録」20章に書かれていることを意味しています。
2:この天使は、悪魔でもサタンでもある、年を経たあの蛇、つまり竜を取り押さえ、千年の間縛っておき、
3:底なしの淵に投げ入れ、鍵をかけ、その上に封印を施して、千年が終わるまで、もうそれ以上、諸国の民を惑わさないようにした。そ
の後で、竜はしばらくの間、解放されるはずである。
4:わたしはまた、多くの座を見た。その上には座っている者たちがおり、彼らには裁くことが許されていた。わたしはまた、イエスの証
しと神の言葉のために、首をはねられた者たちの魂を見た。この者たちは、あの獣もその像も拝まず、額や手に獣の刻印を受けなかっ
た。彼らは生き返って、キリストと共に千年の間統治した。
5:その他の死者は、千年たつまで生き返らなかった。これが第一の復活である。
6:第一の復活にあずかる者は、幸いな者、聖なる者である。この者たちに対して、第二の死は何の力もない。彼らは神とキリストの祭司
となって、千年の間キリストと共に統治する。黙示録20:2−6(新共同訳)
この世の終りの最後の審判の前に、キリストが再びこの世界に来られ、信仰を守って殉教した者たちと共に、千年間、この世界を直接支配 するという預言で、これを「千年期」または「千年王国」 =ミレニアムと言います。
この箇所を字義通りにとるのを千年期説, millennialismと言い、 比喩的にとる、つまり千年王国なんて無いととるのを、無千年期説, amillennialism といいます。
千年期説でも、イエスの再臨が, 千年期に先立ってあると考えるのが千年期前再臨説, premillennialism、千年期の後に続いて起ると考えるのが 千年期後再臨説, postmillennialismといいます。
千年期後再臨説, postmillennialismの立場を取る人々は、イエスの再臨前に、人類が千年王国=理想的な世界を作っていく使命があると考え、 社会改革に熱心に取り組んでいます。
このように、millenniumという言葉には、キリスト教社会特有の意味があるのです。